【花王】「製造・販売事業者等による自主回収認定」取得 一般消費者を対象とした製造・販売事業者として初めて

花王 製造・販売事業者等による自主回収認定

花王株式会社(以下、花王)およびグループ会社の花王ロジスティクス株式会社は、2024年3月に経済産業省、環境省より、花王の事業場および鎌倉市で実施しているプラスチック包装容器の回収において、「製造・販売事業者等による自主回収認定」を取得しました。

一般消費者を対象とした製造・販売事業者としての認定は初めてとなります。認定取得により、廃棄物処理法の業許可なく、使用済みのつめかえパックを花王グループ内と鎌倉市で回収することが可能になります。

※この認定は、2022年4月1月に施行された「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」(プラ新法)の措置事項のひとつ。

目次

日用品プラスチック包装容器回収

プラスチック包装容器の資源循環型社会の実現を目指す

花王は、自治体や企業等と連携して日用品の使用済みプラスチック包装容器のリサイクルの実証実験を展開しています。

花王 日用品プラスチック包装容器回収の方法
リサイクルつめかえパックができるまで

どんな開発を行っているの?

使用済みのつめかえパックやボトルを回収し、再度容器にする水平リサイクルの技術開発です。2023年5月には、再生材料を一部に使用したつめかえパックを開発、製品化しています。

一般廃棄物について

現在日本において家庭から出る使用済みのプラスチック包装容器は、自治体が定めたルールに沿って「一般廃棄物」として処理されています。

主な方法としては2種類あります。

・燃えるごみとして一括回収し熱回収(サーマルリサイクル)または単純焼却する
・資源物として分別回収し容器包装リサイクル法に沿ってリサイクルする

また、「廃棄物」については、適切に処理されるよう「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)が定められています。

しかし、使用済みのプラスチック包装容器を「廃棄物」として取り扱う場合には、この法律の対象となるため、許可を持った事業者でなければ回収することができません。

そのため花王は、花王が分別回収する日用品の使用済みプラスチック包装容器を、「廃棄物」ではなく「有価物」として取り扱うことを認める自治体でのみ、回収の実証実験を展開しています。

製造・販売事業者等による自主回収認定

認定を受けた事業者は、計画の範囲において業の許可が不要となり、許可を持たない製造・販売事業者が、回収・再資源化を実施することができるようになります。

製造・販売事業者等による自主回収認定
2022年4月1月に施行された「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」(プラ新法)の措置事項のひとつで製造・販売業者等の自主回収を促進するものです。

花王の計画

花王が自主回収の認定を取得したのは、使用済みつめかえパックを花王グループ内鎌倉市で回収する計画です。

花王グループ内

花王グループの事業場に従業員が持参した使用済みつめかえパック(自社・他社製品問わず)を、花王ロジスティクスが回収。今後、回収対象を全国の全事業場へ広げていく予定。

※スタート時は花王本社(茅場町)、すみだ事業場、および花王のグループ会社である花王グループカスタマーマーケティングの本店(茅場町)が対象。

花王 製造・販売事業者等による自主回収認定
花王の茅場町事業場に設置している回収ボックス

鎌倉市

鎌倉市が設置する「しげんポスト」(回収ボックス)で使用済みつめかえパック(自社・他社製品問わず)を回収、鎌倉市により鎌倉市内のリサイクルセンターに集約されたものを、花王ロジスティクスが回収

花王 製造・販売事業者等による自主回収認定
鎌倉市に設置している「しげんポスト」(回収ボックス)

「製造・販売事業者等による自主回収認定」を取得するとどうなるの?

どちらもすでに「有価物」として回収を実施していますが、「廃棄物」としての回収が可能となります

使用済みつめかえパックを回収拠点から集約拠点へ移送後、花王の和歌山研究所のリサイクルパイロットプラントでの再資源化を予定しています。

花王のグループ会社で物流を担う花王ロジスティクス等による既存の事業場間輸送便を活用することで、輸送コストや環境負荷を削減することが可能になります。

「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)

花王グループは、2019年4月にESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)を策定しました。

花王 ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)
生活者を主役にしたESGの具体的な活動の方向性と将来への意欲的な意気込みを表したもの。「花王のESG ビジョン」と、それを実現するための戦略「花王のESG コミットメントとアクション」で構成されています。

リサイクルにおける連携を推進

今回の取り組みは、「Kirei Lifestyle Plan」の重点取り組みテーマのなかでは「ごみゼロ」に貢献するものです。

「製造・販売事業者等による自主回収認定」を取得したことにより、今後はこれまでの「有価物」としての回収に加え、自治体や企業に対し、「導入が容易な回収モデル」として示し、リサイクルにおける連携を推進していくとしています。

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