【コラム from NY②】ウエブ3.0の世界、美容・化粧品やファッション業界はどうなる?

ファッションエッジ編集部 NY特派員が、NYのファッション事情を中心に現地のカルチャーをご紹介。

第二回は、アメリカでしきりにトレンドワードとなっている “ウエブ3.0” について。美容やファッション業界では、どのようなサービスをもたらすのだろう。

近頃、アメリカではTwitterなどのSNS上で、“ウエブ3.0”という言葉がしきりにツイートされている。何故なんだろう。

ウエブ2.0、ウエブ1.0と、次代の世界では、どう違うというのだろうか。

ウエブ1.0と2.0世界から3.0の世界へ

ウエブ1.0の世界を指す、90年から2000年にかけて、人々はインターネットを使って主にそのコンテンツを消費していた。例えば、人に会う前にその人について「検索」したり、”食べログ“でレストラン情報を検索したり。

さらに進んで今は、消費者自身が創り出すコンテンツが、ユーチューブやインスタグラム、フェイスブックらプラットフォームで盛んに消費されている。いわば一元化されたプラットフォームに、消費者のコンテンツが集まっている状況が今、“ウェブ2.0”の世界なのだ。

「ユーチューバー」「インスタグラマー」「ティックトッカ―」は、ウェブ2.0の世界が生み出した。

では、足音の聞こえる“ウェブ3.0”の世界では、ここから「どう変わる」というのだろうか。そこでは、コンテンツは一元化されずに、コミュニティ的に分散されるみられている。

ブロックチェーン的、WEB3.0の世界

つまり、 ウェブ2.0 までの巨大プラットフォームを通じた一元化の世界から、3.0ではブロックチェーンの手法を用いた分散型コンテンツで広がる世界になるとみられている。

だからこそフェイスブックは、世界中に28.53憶人もの使用者を抱えていて、SNS業界では世界一だというのに、その企業名を「メタ(META)」に変えると発表したのだろう。それほどの企業が社名を変えるなんて、前代未聞の話だというのに。

既に通貨の世界では、ブロックチェーンという考えを導入した仮想通貨が広がってきている。2017年には「ビットコイン」「億り人」などといったワードがマスメディアでも報じられ、一時的なものだと当初言われていた仮想通貨。今では、アメリカ政府も検討し始めるほど、金融の世界に影響を及ぼしている。

ちなみに今年、仮想通貨は年間で2000%以上も成長した。つまり、変動に合わせずただ所有していれば、あくまで期待値的にではあるが、20倍にもその価値が上ったということだ。「億り人」は、決して過去の遺物などではない。日本では金融リテラシーの低さの問題が指摘され始めているが、世界の覇権を争うアメリカでは、感覚的にも一歩二歩と先進的であることは、事実として受け止めなければならない。

そして、今年、仮想通貨以上に成長したのがNFT(日本語では非代替性トークンと訳されているらしい)だ。このNFTが今年6000%以上もの成長率を見せたというのだから、ブロックチェーンを使った暗号通貨の一つ、イーサリアムを用いたこの新しいトークンに如何に世界が注目し始めていることがわかるだろう。

NFT、DAOs、DeFi

分散型技術は既に動き始めていて、アートや音楽楽曲の売買で著作者の権利が強くなるNFTだけでなく、中央に意思決定する人や組織が要らないDAO(自律分散型組織)や、DeFi(分散型金融)らもイーサリアム基盤で成長してきている。

この技術を利用すれば、例えば、ネット上の一次画像使用などの著作権に関するフェアな配当等、ウェブの世界でたびたび指摘されてきた諸問題の解決が期待できる。ウェブ3.0の叶える技術は、従来のウェブ1.0や2.0といった世界にも確かに影響を与え、それまでなかった概念から新たな仕事や職業を生み出す。

美容やファツション業界では、一体どうなる?

ほんの10年前くらいなら、セレブ御用達のメークアップ・アーティストの講習会に参加してそのテクを習いたいという人は多かった。ファツションも、欧米のモデルや人気芸能人に似せたい人々が多く、ヘアスタイリストなどのプロたちは、人気タレントに似せるスタイルを再構築することで、顧客の人気を保つことができたのだ。

ところが、ここ数年インスタグラムでセレブや芸能人は自身のスタイルを紹介し、消費者は直接真似ることができるようになった。メークアップはというと、メイクアディクトの“一般人(非芸能人)”が、安価に変える製品で、膨大なテクニックをユ各プラットフォーム上で紹介する。

その結果、消費者の知識と技術も素晴らしく飛躍してしまった。今やデパートの一階で販売員さんにメークを習うお客など、化石のような存在だろう。事実、日本の百貨店ですら、過去の業態を改める動きも存在する。例えば、その場では買えず、気軽に体験する機会を与えながら、売りつけるという意思表示を受け取られないように接客しながら、付加価値を提供する業態も登場している。

パラダイムシフトは起こる。ウェブ3.0の近未来になると、今度は人気ユーチューブ・メークアップアーティストを皆が一緒に見るという構図ではなくなり、個々に必要な情報はそれぞれがマンツーマンで繋がる時代が来る、ということだろうか。

経済圏はコミュニティ的に、そしてパーソナライズドされ、つまり、マスという概念が全くなくなる、ということなのだろう。道理でテレビやデパートが衰退するはずだ。

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