理美容業の地位向上へ要努力。都医師会がウエブサイトに「理容室は“素人でもできる商売”」



公益社団法人 東京都医師会(尾﨑治夫会長)が、理容室を「素人でもできる商売」呼ばわりしたとして、謝罪に追い込まれたとの報道があった。『J CASTニュース』(配信元:株式会社ジェイ・キャスト)が報じたところによれば、東京都医師会は2021年8月27日、同会が発行する情報誌「都医ニュース」21年8月号に掲載したコラムの内容について、「一部不快な思いをさせてしまう記述がございました」などと謝罪した。

コラムを「都医ニュース」に転載、削除。

  問題のコラムは、8月16日に同会のサイト上に公開された「都医ニュース」21年8月号の「ふれあいポスト」コーナーに掲載されたもの。筆者は町田市医師会の佐々木崇氏で、「不要不急の商売は次々と潰れていく」というタイトル。もとは町田市医師会報第553号に掲載された文書。

内容は、コロナ禍の中で行きつけの理容室に行った時の体験談。理容室の対応を「特段、新型コロナへの配慮など感じられない」と評し、「素人でもできる不要不急の商売は次々と潰れていく」などと論じていた。

このコラムが東京都医師会のウエブサイトに転載されると、ネット上で反発を浴びた。「理容美容業って不要不急の素人でも出来る職業?」「理容店をこんな上から目線で見下してバカにしている」など。理美容業界全体を中傷するような内容だとの批判的意見があふれたという。

この事態に東京都医師会では8月27日に、「ふれあいポスト」の当該記事を別記事に差し替えたとした上で、次のような謝罪文を発表した。

「一部不快な思いをさせてしまう記述がございました。関係者のみなさまにご迷惑をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます」

また、「今後は掲載前のチェック体制を強化するとともに、二度とこのようなことのないよう努めてまいります」としている。

いまだにやまない、理美容業蔑視の風潮。

医師も理容師も美容師も「師商売」。分野の違いはあれ、独り立ちするまでの技術知識の習得には、専門教育施設で年月をかけての教育訓練を要し、資格取得に国家試験を課される。難易度に多少の差はあるかもしれないが、高度の知識と技術を要することでは同じだ。

医師の資格を笠に着て、理容業を「素人でもできる不要不急の商売」と決めつけるのはいかがなものか。コロナ禍のはじめのころ、行政も理美容を「不要不急の業種」に位置づけて営業自粛を求めた末に、猛反発を受けて撤回に追い込まれた一件があった。

「理美容師の社会的地位の向上」が叫ばれて久しい。そして、一般的に教養も高いはずの医師さえも、ときにこのコラムのような過ちを冒す。理容業の全国組織「全理連」・美容業の「全美連」。ともに業の地位向上のために、さらなる努力が求められている。



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