全国紙夕刊一面に「美容」の文字が躍る



JABSのロビー活動成果、一方で見えない全美連の広報成果

「6月28日読売新聞夕刊一面記事」

「美容」の話題が全国紙夕刊一面のトップ記事として扱われることは、めったにない。2021年6月28日読売新聞夕刊でそれが起きた。見出しは「美容師試験時代遅れ?」。サブタイトルは「60年代パーマまだ必須」「まつ毛エクステ実技なし」。

美容師の国家試験の実技科目が時代遅れで、現状の消費者ニーズに則さないものであることを報じている。

美容業界の旧弊打破をめざす、多店舗展開美容企業の団体JABS(一般社団法人 日本美容サロン協議会。吉田靖志理事長。岩田卓郎副理事長・谷口誠治副理事長)の仕掛けにもとづいた記事だが、一方で、美容組合の全国組織・全美連(全日本美容業生活衛生同業組合連合会。吉井眞人理事長)の側の広報不足が実感される。

「議員勉強会」が河野氏に提言

記事内容は主に次のような指摘から成っている。

・美容師国家試験の実技試験の科目にはカット(散髪)のほか、パーマ部門として、「ワインディング」と「オールウエーブセッティング」がある。

・オールウェーブは終戦直後から1960年代に人気だったが、「今は使っていない技術」とする声が多い。

・一方「まつ毛エクステンション」には実技試験がない。

・自民党有志による「美容サロンに関する議員勉強会(上野賢一郎座長)は2021年6月4日、河野行政・規制改革相に美容師国家試験改革を求める提言を行い、河野氏は「検討したい」と応じた。

JABSのロビー活動の成果

美容師国家試験実技科目に関する指摘は、以前からあったもので目新しいものではない。コロナ禍の話題に注目が集まるタイミングで、このトピックが全国紙夕刊一面トップを飾ったのは、ある意味で唐突かつ不思議だ。JABSのロビー活動がもたらした出色の成果と評価したい。また、全国紙とはいえ、夕刊ということで影響力に疑問を持つ向きもあるかもしれないが、この記事は電子版でも「Yahooニュース」その他に転載されており、かなり広く広がりを持っている。

日本美容サロン協議会(JABS)は、美容室チェーンの経営者が理事に顔をそろえる業界団体。「次の美容業界のあり方を具現化していく」をスローガンに、業界が内包する問題についての勉強会やロビー活動に取り組んでいる。「美容サロンに関する議員勉強会」も、JABSが与党に働きかけて発足した集まりで、上野賢一郎衆議院議員を会長、小倉將信衆議院議員を事務局長に、7名の議員が参加しているとされる。

どうした、全美連のロビー・広報活動機能

JABSのロビー活動が、このような派手な成果を生んだ一方で、生衛族といわれる国会議員などに太いパイプを持つ、美容組合の全国組織・全美連(全日本美容業生活衛生同業組合連合会。吉井眞人理事長)側のロビー活動が目立たないのはどうしたことだろう。

本来、この内容の記事であれば、全美連や日本理容美容教育センター(理美容養成施設の組織)、理容師美容師試験研修センターなどへの取材があってもおかしくない。その点で一般紙の記事として、突っ込み不足の感を免れない。

逆に、この種の記事を書く際に、取材の受け皿として、全美連などが記者の視野に入らなかったことも、重大な問題に思われる。そのような体制で、多難な課題を抱える美容業界の代表的団体としての存在意義を発揮していけるのだろうか。



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