「ミスマッチによる美容師の離職増加を懸念」コロナ禍で美容学生就職戦線が様変わり



長引くコロナ禍の社会。明日の美容業界の主役となる美容にも、大きな影響を与えている。就職戦線にもそれが顕著だ、と美容専門学校側は心配する。サロンの会社説明会、面接試験などの様相がこれまでと変わったことにより、学生側と受け入れサロン側の「ミスマッチ」が起こりうること、それによる早期離職の増加が懸念される。

サロン説明会・見学機会の減少で情報が不足

「コロナ禍における美容学生への影響~就職活動~」というタイトルの文章が、『NHDK No.310』(2021年7月29日発行)に載った。同誌は美容研究団体・美容協同組合 日本ヘアデザイン協会(横田敏一理事長。略称 NHDK)の機関誌。多くのサロン経営者が読む。寄稿者は日本美容専門学校(東京都新宿区)副校長の熊木徹氏。美容学校生の教育面と同時に、卒業後の進路にも責任を持つ立場にある。

熊木氏は、コロナ禍により、美容学生の就職活動が様(さま)変わりしたとして、次のように指摘している。

  • サロン側の就職説明会が中止になったり、オンライン方式に変更されたりした。
  • サロンの事前見学も容易にできなくなった。

また、採用試験についても、受験者である美容学生が次のような不安を抱いているという。

  • オンライン面接が増え、自分を十分にアピールできるか不安。
  • マスク着用のため表情が隠されるので、自分の想いがしっかり伝わるのか不安

「有事の時に見えるサロンの本質」

熊木氏はこれらの学生側の不安に加えて、コロナ禍により求人を見送るサロン、あるいは内定を取り消すサロンもあることを指摘する

一方で、学生側に不利益が生じないように配慮するサロンも少なくないとして、次のような学生のつぶやきも伝えた。「有事の時ほどサロンの本質が見える」

ミスマッチによる離職増加を懸念

このような美容学生にとっての就職戦線の様変わりを報告したうえで、熊木氏は重大な危惧を表明した。それは「希望サロンについての事前の情報収集不足によるミスマッチ」と、その結果起こり得る「就職後の離職」への懸念だ。

就職説明会の開催機会の減少、面接試験方式の変更などにより、就職希望対象サロンについての情報が従来よりも取りにくくなっていることは確かだろう。自分の希望に合った職場であるかどうかを確かめる機会が、コロナ禍により狭められているとすれば、大きな問題だ。サロンに就職してから「こんなはずではなかった」と後悔する場面が従来よりも増える可能性がある。

就労環境+情報提供の改善という課題

もともと美容業界は離職率が高いことで知られる美容師の離職率は1年で50%、3年で80%、10年で92%とするデータもある。その理由としてあげられるのは「給与が安い」「拘束時間が長い」「休日が少ない」「福利厚生に不満」などだ。

このような基本的離職土壌に加えて、就職活動時の情報不足によるミスマッチが起きるとすれば、美容業界にとっては大きな不幸と言わざるを得ない。

コロナ禍は、美容師の就労環境の改善という従来からの課題に加えて、就職活動時の潤沢な情報提供という新たな課題をも、もたらしている。

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