コーセー、第2四半期は中国好調もコロナ禍で売上は微増、利益は大幅に増加



さらなるグローバル化へ改革を推進しリスクに強い企業への進化目指す

コーセーは、10月29日に2021年12月期第2四半期連結累計期間(21年4月1日から9月30日まで)における業績を発表した。同社は21年度より決算期を3月から12月に変更している。%表示(調整後増減率)は、前年同一期間(2020年4月1日から9月30日まで)と比較した増減率となる。

売上高は、中国での販売が好調だったものの、日本を含めて中国以外の各国で新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、調整後前年同期比0.4%増の1229億3300万円(為替の影響を除くと同0.9%減)となり、連結売上高に占める海外売上高の割合は前年同期の41.3%から42.4%に上昇した。

営業利益は原価低減や全社的なコストコントロールにより、同121.0%増の87億8900万円、経常利益は還付消費税などの発生により同142.3%増の97億1800万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同78.1%増の54億5900万円など、大幅に増加した。

「デコルテ」は10%増、海外売上75%超える、20年の反動もあって主力ブランドが回復基調

化粧品事業は、ハイプレステージブランド「デコルテ」が中国と日本における売上拡大により10%増の408億円(国内101億円、海外307億円)、「アルビオン」が4.6%増の250億円(国内209億円、海外41億円)となったほか、メイクブランド「アディクション」「ジルスチュアート」などの日本売上も伸長した。

また、プレステ ージブランドでは、「雪肌精」も日本売上が堅調だった。以上の結果、売上高は同4.1%増の998億600万円、営業利益は同33.2%増の124億5300万円となった。

コスメタリー事業は、ヘアケアブランドの「スティーブンノル ニューヨーク」や、コーセーコスメポートの「サンカット」「ソフティモ」「クリアターン」が好調に推移したが、コーセーコスメポートのヘアケアブランドが苦戦したことなどにより、売上高は同12.3%減の222億6100万円、営業損失は1258百万円(調整後前年同期は19億600万円の営業損失)となった。

その他の事業は、ホテルやゴルフ場向けアメニティ製品の販売やOEM生産の受注が減少したため、売上高は同30.8%減の8億6500万円、営業利益は同40.6%増の2億8700万円となった。

日本は専門店・百貨店・EC好調だが他は苦戦、「タルト」は主力商品が店頭で好調に推移する

地域別の実績は以下の通り。

日本:ハイプレステージブランドを中心に販売展開している専門店や百貨店チャネルが、20年の反動により好調に推移した。また、「メゾンコーセー」を中心としたEコマースも引き続き好調に推移したが、それ以外の主要なチャネルで苦戦したことにより、売上高は同1.5%減の708億1500万円となった。

アジア:中国で百貨店チャネルが引き続き好調に推移し、ECも6.18のセールで第1四半期の遅れを取り戻したが、海南島を中心とした免税事業は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた。韓国は、商品供給不足により厳しい状況となっている。これらの結果、売上高は同1.4%増の364億5900万円となった。

北米:「タルト」が、カナダではロックダウンが解除されて6月末時点で全店営業を再開し、米国では入店客数の制限やテスターの使用制限が徐々に解除されるなか、コンシーラーやマスカラなど主力商品の強化により、店頭での販売が好調に推移した。自社ECについて、20年はロックダウンにより売上構成比が急拡大したが、店頭の営業再開により新型コロナウイルス感染拡大前の状況に戻っている。これらの結果、売上高は同7.9%増の140億1600万円となった。

その他:欧州におけるタルトが、米国と同様に主力商品の売上が好調に推移していることから、売上高は同 3.2%減の16億4100万円となった。

21年12月期の連結業績予想は、売上高が4.9%増の2240億円。セグメント別では、化粧品事業が9.0%増の1885億円、コスメタリー事業が11.7%減の340億円、その他が23.4%減の15億円を見込む。営業利益は3.4%減の160億円、経常利益は10.4%減の171億円、親会社に帰属する四半期純利益は13.5%減の121億円を見込んでいる。

アフターコロナ見すえた構造改革と新成長戦略

中国・TR市場の攻略=来秋は「DECORTÉ」の市中免税と「雪肌精」カウンターが同時開店

決算の紹介に続いて、小林一俊社長は、「アフターコロナを見すえた構造改革と新成長戦略の進捗」について説明した。

コロナウイルスの影響により日本をはじめ世界各国で依然として厳しい状況にあるが、同社は、以下の4つの取り組みに重点を置いた事業を展開している。

(1)中国・トラベルリテール市場の攻略

中国・トラベルリテール市場の攻略としては、オンラインからオフラインにも力を入れていく取り組みとなる。中国・トラベルリテール市場は最重要攻略地点であり、特に海南島では、9月末時点で「DECORTÉ」の店舗が9店舗、「雪肌精」の店舗が2店舗で合計11店舗を展開している。

22年の秋には、新たに「DECORTÉ」の市中免税と、「雪肌精」のグローバルカウンターが同時にオープンする予定で、今後も、中国ではオフラインとオンライン、トラベルリテールにより、積極的に展開していく。

(2)ブランド価値向上(重点グローバルブランドの育成)

ブランド価値の向上では、重点グローバルブランドの育成とリアルでのパーソナルな顧客体験を展開している。

前者では、21年にブランドの誕生から50周年を迎えた 「DECORTÉ」は、世界でより存在感のあるグローバルブランドづくりにより、高付加価値を求めるお客さまを中心に支持されるブランドを目指していく。

その取り組みを強化する一環として、アマンホテルグループの「アマン・スパ」において、「DECORTÉ」の最高級ラインである「AQ ミリオリティ」を使用したトリートメントを開始している。すでに、10月1日より、中国の上海にある「ヤンユンアマン・スパ」においてサービスを開始しているが、11月には、ロンドンのホテル「The Connaught」のなかに、12月には、フランスのリゾート地、ル メレザンにあるホテル「アマン」でオープンする。また、日本では、「アマン東京」において同様のサービス、トリートメントを展開していく予定だ。

このような取り組みにより、「DECORTÉ ミリオリティ」のブランド価値を上げていくとのこと。

(3)ブランド価値向上(パーソナルな顧客体験・独自の価値追求)

 デジタルでのパーソナルな顧客体験の取り組みについては、「DECORTÉ」で9月16日より、公式ECサイトであるオンラインブティックと、オンラインカウンセリングのサービスを開始している。従来のオフラインカウンセリングのきめの細かさを再現しながら、オンラインならではの手軽さを両立するため、独自のシステム「WEB-BC SYSTEM」を開発した。

これは、カウンセリングの予約から商品の購入までを一連の流れでスムーズに完結できる、まったく新しい概念のカウンセリングプラットフォームだ。これまでのオンラインカウンセリングで大きな課題であった、化粧品特有の繊細な色味や質感の再現性を高め、オフラインに限りなく近いレベルの高精細な映像を実現することに成功した。

今後は、オフラインのみならずオンラインにおいても、このようなサービスによるカウンセリングを提供していくことにより、「DECORTÉ」のブランドロイヤリティを一層高めていく。

事業ポートフォリオの強化=国内化粧品専門店と取り組む新業態のオンリーショップ展開強化

(4)事業ポートフォリオの強化

コーセー、アルビオンの各ブランドで、国内の化粧品専門店と取り組む新業態のオンリーショップ展開を強化。まず、コーセーでは、19 年より専門店との新業態である「コスメテリア」を全国に展開し、店舗内では、「DECORTÉ」「ADDICTION」 「STEPHEN KNOLL」といったさまざまな世界観を持つコーセーブランドの商品を展開している。

10月には、北海道で「コスメテリア」の7店目「イオンモール旭川駅前店」がオープンした。ここでは、「Maison KOSÉ表参道」にも導入している。美容液などの商品を非接触で試すことのできる「オートテスター」などを設置している。

今後は、「コスメテリア」においても、銀座や表参道の「Maison KOSÉ」で実施している、デジタルを駆使した新たなパーソナライズ美容提案を導入していく。

アルビオンでも同様に、以前より新業態として 専門店とともに、「ATELIER ALBION」と「ALBION DRESSER」を展開している。これからもアフターコロナを見すえ、グループ全体でこのような取り組みを推進し、日本の化粧品専門店市場における存在感を高めていく。

サステナビリティ戦略の推進=持続可能な社会の実現目指し化粧品事業で、花王と包括的な協働

(5)サステナビリティ戦略の推進

サステナブルなものづくりとしてコーセーでは、環境負荷の低減に取り組み、Reduce、Reuse、Recycle、Renewableの4Rに適合した容器包装設計の推進活動を実施している。30年までに、プラスチックを使用するすべての商品において、一次包装素材として4Rのうち一つ以上を取り入れたデザイン設計とすることを目指している。

9月16日に発売して好評の「DECORTÉ リポソームアドバンストリペアセラム」の容器では、Renewable、Reduce、Reuse という三つのRを取り入れて設計している。

加えて、このほど、花王株式会社とともに持続可能な社会の実現を目指すため、化粧品事業のサステナビリティ領域において、包括的に協働していくことに合意した。

これまでの環境保護や社会課題の解決には、個々の企業が取り組んでいくだけでは限界があり、企業同士が協力して取り組みを進めていくことが重要であると考え、より効果的、かつスピーディーに成果を上げるため、このような合意に至った。

今後は、花王とそれぞれの強みを持ち寄り協働することで、化粧品事業における持続可能な社会の実現に寄与するソリューションを見出していきたいとしている。

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