【花王 研究レポート】微細な炭酸泡の洗顔料に高い皮脂洗浄性があることを発見

これまで花王は、微細化した炭酸泡による肌への作用(不要な角層の堆積を抑制/※1)を見いだしている。洗顔料は泡立てて使用することから、もともと泡を作るのに適した処方。そこで炭酸ガスで泡状の洗顔料を作ると、泡を微細化させやすく、汚れを落としやすくなるのではと考え、技術開発に取り組んだ。

微細な炭酸泡と洗浄成分を組み合わせると、皮脂が落ちやすいことを発見

一般的なエアゾール製剤(泡状の製剤)にはLPガスが噴射剤として用いられるが、花王は、炭酸に注目し、炭酸ガスによる泡状の化粧品の研究開発を進めてきた。しかし、炭酸ガスで作った泡はつぶれやすく持続性にかけるという課題がある。

そこで、炭酸ガスを保持しつつ心地よく洗える適度な硬さの泡を作る検討を重ねた結果、アニオンポリマーとカチオンポリマーの複合成分(PIC)を用いることで、弾力性が高く、微細な炭酸泡ができることを見いだした(図1)。

さらに、洗浄成分を含んだ原液をLPガスまたは炭酸ガスで噴射して泡状にした場合を比較すると、炭酸ガスで噴射した泡状の製剤で皮脂洗浄性がより高いことを確認した(※2/図2)。

炭酸泡の洗浄料は油になじみやすい性質がある。そのため、皮脂に素早く溶け込んで皮脂の内部で気泡化し、皮脂を浮きやすい状態に変化させて、洗浄性をサポートする性質があることもわかった。

PICは水分や保湿成分を含みやすく、洗浄してすすいだ後にも残留(※3)しやすい性質がある。そこで、PICを含んだ微細な炭酸泡で洗浄した前後の肌を比較したところ、洗浄後の水分量は洗う前よりも多くなっていることを確認した(※4/図3)

さらに、20〜50代15名を対象にPICを含んだ微細な炭酸泡の洗顔料を4週間使用する試験を行なった結果、4週間使い続けることで肌の水分量、なめらかさ、明るさが有意に改善する(※5)ことを確認した。

これらの結果から、炭酸ガスを洗顔料に応用すると、洗浄成分の量を増やしたり、洗浄力の強い成分を使うことなく高い皮脂洗浄性を得られると考える。今後も技術を深化し、使った人に、肌に自信をもってもらえるような商品の開発を進めていくとしている。

同研究成果は、第87回SCCJ研究討論会(2021年12月3日)にて発表。

※1:2018年10月26日花王ニュースリリース微細化した炭酸が肌を持続的に弱酸性に保つことを明らかにhttps://www.kao.com/jp/corporate/news/rd/2018/20181026-001

※2:アルキルグルコシド(洗浄成分)1%の原液を、LPガスと炭酸ガスで噴射した場合の皮脂洗浄性

※3:PICを含んだ炭酸泡で人工皮革を洗浄し、PIC中のカチオンポリマーが人工皮革に残留していることをTOF-SIMSにて観察

※4:PICを含んだ炭酸泡で前腕を洗浄し、洗浄前と洗浄15分後の肌水分量を比較

※5:2021年1〜2月実施。4週間使用前後の肌を、コルネオメーターによる水分量測定、テープ採取による鱗屑量の計測、VISIA撮影によるL値計測により比較

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