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ヒノキ新薬・阿部社長:多様な価値観噴出する中、製品の効能効果を論理的に伝える

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ファッションエッジ編集部が企業インタビューとして、ヒノキ新薬阿部武彦社長にコロナ禍の市場における現状と今後の展望と、あるべき企業像を伺いました。

ヒノキ新薬公式HPhttps://www.hinoki.co.jp/

“難しい話”を通して納得感の高い商品・販売店・顧客づくりを徹底

ヒノキ新薬:阿部武彦社長

新型コロナウイルス感染症は、大きな波の到来を繰り返した後、2021年10月半ばより収束期間に入っていましたが、2022年2月現在、新種のウイルスが世界規模で広がり、今後の見通しは不透明な状態が続いています。コロナ禍の襲来への対処法として“3密回避”などの措置が浸透し、店舗での販売が困難になるなかで、化粧品市場では専門店を巻き込んだインターネット販売の展開が本格化。新たな流通スタイルの導入は、消費者心理にさまざまな影響をおよぼすことが想定されます。

一方で、どのようにデジタル技術が進化しても、「メーカーがつくった化粧品を消費者が自身の肌に使うこと」という極めてアナログ的な化粧品ビジネスの原点は不変と考えられます。こうした不変の論理にしたがった経営を徹底するヒノキ新薬は、創業以来65年にわたり、肌粧品をつくるために絶対的な柱とする成分「ヒノキチオール」に次々と新たな効果を見出し、時間をかけてエビデンスの裏付けられた製品群を生み出してきた企業。

この手法による新しい知見をもとに、22年には新生品の発売も予定されています。市場と同社の現況および今後の展開を阿部武彦社長に伺いました。

メイク商品は扱わないが基礎化粧品にも影響、オールインワン化粧品の増加に疑問

――2021年の化粧品市場を振り返ると、全般的には、やはり引き続き新型コロナウイルスの感染拡大による影響が大きく影を落としたという印象が強かったと思います。

阿部社長(以下、敬称略):特にマスクの着用が常態化したことにより、化粧品では口紅などメイクアップ商品が大きな影響を受けました。当社の場合は、メイクアップ商品を扱っていませんが、基礎化粧品も影響を受けています。

行政が外出自粛を呼びかけたことに加え、“3密”を避けるため店舗に入ることを敬遠した消費者も少なからず存在したと思います。ただし、化粧品は買わなければならないということで、インターネットの利用や訪店回数を減らすために都合のいいオールインワンタイプの化粧品が増えてきました。

――オールインワン化粧品については、たとえば、化粧水や乳液など5~6種のアイテムが持つ特有の効果を1品で実現することにより、忙しい女性たちのライフスタイルに合致すると言われていますね。

阿部:ライフスタイルに合致するとしても、1品の化粧品で5~6種のアイテムが持つ効果を発揮できるという訴求には、首をかしげてしまいます。なぜ効果が発揮できるのかということに対して、踏み込んだ説明が充分ではないように見えます。そのうえ、やや過大気味ではないかと思うような広告が散見されることもあります。そこで、この道の専門家に、ある広告について「行き過ぎではないか」と聞いたところ、否定はしませんでした。

「長期的な判断での購入」と「付和雷同型購入」の違い:二分化する消費者、こだわり商品への理解進む

――生産年齢人口(15~64歳)における女性の就業率が約7割に達して忙しい人が増えていることも、オールインワン化粧品の需要を押し上げているようです。

阿部:それとともに、流行の波に乗っているケースも少なくないような気がします。食品なども常に流行がありますが、あまり長続きしないことが少なくないですね。そもそも、消費財については、長期的な判断で購入している消費者がいる一方、付和雷同的に購入する消費者も存在します。

販売する側にとっては、どちらの消費者をターゲットにするのかということになりますが、ヒノキ肌粧品の販売店さまの場合は、流行などを見て付和雷同的に飛びつくのではなく、しっかり考えて購入するタイプのお客さまを想定していると思います。

コロナ禍の影響によってはっきりしてきたのは、消費者の間で、付和雷同するタイプと納得できる論理的なものを求めるタイプとの二分化が進むことではないかと思っています。

――二分化が進むなかで、それぞれの今後の道すじをどのように見通していますか。

阿部化粧品市場では、付和雷同タイプが多いようですが、一方で、コロナ禍に加え環境問題や健康問題などへの関心が高まっている最近の市場動向を見ていると、当社のように、肌のことをよく考えたうえで判断するといったこだわりを持つ商品についても、徐々に理解が広がっていくのではないかと考えています。

論理的な販売を志向している重要なパートナー、「しっかり考えて行動する」消費者が来店するお店

――コロナ禍が化粧品市場に与えたもう一つの大きな影響はインバウンドの消失です。企業の業績にも影を差しています。

阿部:21年10月頃から感染者が急激に減少している今(21年11月下旬現在)、市場では、インバウンドの恩恵が再来することに対して期待する空気が漂いはじめています。しかし、コロナの件では、今後も予測不能な事態に陥るリスクが生じることがあるかもしれないと思い知らされました。インバウンドについても、どのような形になるのか不透明なところもあるのではないでしょうか。

――そうしたなかで、再販廃止以来、店舗数の減少に歯止めがかからない化粧品専門店は、コロナ禍でさらに窮地に立たされるケースも目につきます。

阿部専門店や薬局は、一貫して化粧品を懸命に販売し、今日、世界屈指の規模に拡大した化粧品市場に貢献してきました。当社としては、引き続き、目先のことにとらわれることなく、重要なパートナーとして良好な関係を築いていきたいと考えています。わかりやすい自動車業界にたとえるなら、ゴーンタイプではなく、日本企業らしい堅実なトヨタ・ホンダ・スズキなどのタイプということになるでしょうか。

前述のような二分化が続いていくと見られるなかで、ヒノキ新薬の方針は創業以来変わることなく、地に足をつけてしっかり考え、理解したうえで行動を起こす消費者が来店する専門店や薬局に重点を置いて取り組んでいきます。

次ページでは・・・

「21年発売製品の振り返り&22年の新発売製品について」

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