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コーセー、21年12月期決算:売上高は4.8%増の2250億円、海外の割合は49.3%

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株式会社コーセーは、2021年12月期決算を2月14日に発表。売上については、中国と欧米の販売は好調であったが、このほかの日本を含む各国でコロナ禍の影響を受けて、決算期の変更により4~12月の9カ月間となった連結売上高は4.8%増(為替の影響を除くと2.4%増)2249億8300万円

また、海外売上高の割合は49.3%となったとのこと。利益は、全社的なコストコントロールの実施により、営業利益が14.1%増の188億5200万円、経常利益は為替差益の発生により17.4%増の223億7100万円、親会社株主に帰属する当期純利益は構造改革関連費用の発生や税金調整により、4.4%減の133億4100万円。

「デコルテ」中心にハイプレステージは10%増、北米や欧州の「タルト」は好調も他ブランド苦戦

化粧品事業の売上高は7.2%増の1890億8200万円、営業利益は2.7%減の227億2400万円。中国と北米の売上が好調で、このうち、中国と日本で好調に推移したハイプレステージブランドは10%増であったとのこと。

ジルスチュアート

内訳は、「デコルテ」が売上の約7割を占める海外で大きく伸長し、「アルビオン」やメイクアップブランドの「アディクション」「ジルスチュアート」は日本での売上が拡大。また、「タルト」も 北米・欧州で好調に推移したが、それ以外の主要なブランドは苦戦したとのこと。

コスメタリー事業の売上高は5.8%減の343億5100万円、営業損失は7億5200万円(調整後前期は24億700万円の営業損失)。

スティーブンノル ニューヨーク

ヘアケアブランドの「スティーブンノル ニューヨーク」やコーセーコスメポートの「サンカット」「ソフティモ」「クリアターン」などが好調を維持し、ヘアケアブランドも期間限定施策などにより回復。

10月以降は回復傾向にあったものの、年間を通してメイクアップブランドは苦戦したとのことです。その他の事業は、OEM生産の受注が減少したため、売上高は20.9%減の15億4900万円、営業利益は86.7%増の8億800万円。

日本市場は専門店好調、百貨店は順調な回復 / 中国は百貨店が好調、ECは大幅な売上増達成

地域別の売上高(調整後)は、以下の通り。

日本:1140億7800万円0.2%増

メゾンコーセー

売上高は0.2%増1140億7800万円ハイプレステージブランドを中心に販売している専門店が昨年の反動により年間を通して好調に推移し、百貨店チャネルも9月以降は順調に回復したとのこと。

また、「メゾンコーセー」を中心としたEコマースも引き続き好調に推移したとのこと。ドラッグストアなどのマスチャネルでは、競争激化により厳しい状況だが、敏感肌市場においてはシェアを拡大。

アジア:743億6100万円4.5%増

売上高は4.5%増743億6100万円中国は、百貨店チャネルが引き続き好調に推移し、Eコマースも「6.18商戦」に続きW11も前年同期比で大幅な増収を記録しました。

海南島を中心とした免税事業は、7-9月に新型コロナウイルス感染拡大による渡航制限の影響を受けたが、総じて好調に推移。一方、韓国は、上期の商品供給不足を挽回できず、厳しい状況となったとのこと。

北米:327億2000万円23.9%増

タルト

売上高は23.9%増327億2000万円「タルト」は、経済活動の再開にともない、コンシーラーやマスカラなど主力商品の強化により、店頭での販売が好調に推移。

また、サプライチェーンが混乱するなか、いち早い対応により年末商戦でも好調を維持することができたとのこと。自社ECについては、市場全体が店頭回帰により弱含みとなっているなかで健闘したことをアピール。

その他:38億2300万円14.8%増

売上高は14.8%増の38億2300万円。欧州の「タルト」は、ソーシャルメディアでのマーケティングが功を奏し、メイクアップブランドの中でも高い成長率を維持したとしています。

次期の業績予想は、売上高が8.9%増の2930億円。内訳は、化粧品事業が9.5%増の2385億円、コスメタリー事業が6.9%増の526億円、その他が8.0%減の19億円。

営業利益は40.4%増の220億円、経常利益は 2.5%増の226億円、親会社株主に帰属する当期純利益は48.2%増の165億円を予想している。また、設備投資は189億円、減価償却費は103億円を見込んでいます。

中国・トラベルリテール市場の攻略:オンライン、オフライン、トラベルリテール強化

22年度は、ピンチをチャンスに変えるべく、四つの取り組みを重点的に進めていく小林一俊社長は次のように説明しました。

(1)中国・トラベルリテール市場の攻略

21年11月に上海で開催された、第4回中国国際輸入博覧会では、コーセーグループとして初めてアルビオンと共同でブースを出展

また、コーセーのトラベルリテール事業において大きな売上を占める海南島では、1月の「リポソームアドバンストリペアセラム」のグローバル発売に合わせてプロモーションを強化。「デコルテ」のハイプレステージブランドとしての認知度向上に取り組んでいる。

雪肌精

また、22 年には、新たにデコルテの市中免税2店と、雪肌精のグローバルカウンター1 店をオープンする予定とのこと。

オンラインにおける取り組みでは、コーセーの商品の良さをより正確に中国の顧客に伝えるため、ライブコマースの際には KOL だけではなく、自社のビューティーコンサルタントを起用して販売促進を実施中。

今後も、中国市場ではオンライン、オフライン、トラベルリテールにおいて取り組みを強化していくとしています。

(2)ブランド価値向上:「イドラクラリティ」はジェンダーレスに期待

①サイエンスとテクノロジーを結集した商品開発(DECORTÉ)

リポソームアドバンストリペアセラム

21年9月に、「コスメデコルテ」から、日本国内において29年ぶりにリニューアル発売した「リポソームアドバンストリペアセラム」は、エイジング悩みや保湿効果に応える商品としてパワーアップして大きな評価を獲得。

各メディアでも数々のベストコスメを受賞し。2021年度のコーセーの売上にも大きく貢献。国内においても新しい顧客層を取り込むことができたと報告。

スキンケアライン「イドラクラリティ」

2月16 日には、「コスメデコルテ」の新スキンケアラインとして、5000円の価格帯で「イドラクラリティ」を発売。20代、30代の新しい顧客を含め、パッケージを見て感じられる通り、ジェンダーレス商品としても期待が寄せられます。

②新なカウンセリングサービスの取り組み

21年9月に稼働したオンラインカウンセリングサービス「コスメデコルテ パーソナルビューティーコンシェルジュ」では、専用のカウンセリングプラットフォームを開発し、高精細な映像の実現を可能にしました。

また、オンラインカウンセリングについて、ユーザーからは「移動時間がないため、効率的で人目を気にせず自宅でじっくりカウンセリングが受けられる」といった、ポジティブな声が寄せられているとのこと。

③デジタルコミュニケーションの強化

セルフメイクブランドの「Visee」と21年5月にリブランディングしたFASIO」。こちらもEC で先行発売するなど、SNS を中心としたプロモーションを実施。

「ADDICTION」に関しては、ブランドの代名詞である99色の単色アイシャドーを使ったメイク方法をライブ配信するなど、ターゲットに合わせたデジタルコミュニケーションを強化しています。

④デジタルマーケティング戦略(Tarte)

2014年に買収したタルトは、21年度はコロナ禍における EC 需要の急拡大に際して、スピーディーでフレキシブルな対応で、安定した売上を確保した。

また、市場ニーズをいち早く察知して、自社ECサイトでは、ヴァーチャル・トライオン機能ヴァーチャル・カウンセリング機能を新たに追加することで、売上の拡大につなげたとしています。

その結果、21年の米国プレステージメイク市場においてシェア5位と、大変厳しい市場環境のなかで健闘したことをアピール。

⑤北米における店舗数の拡大

「タルト」は、21年8月から、「Sephora」「ULTA」がショップインショップという形で、Kohl‘sと Target に出店したのに合わせて什器を展開し、販路の拡大に取り組んでいます。

「Sephora」のKohl‘sで、店内シェア3位、「ULTA」のTargetでは同2位と22年も売上の拡大が期待されます。また、ヨーロッパにおいても戦略的に出店し、売上が拡大しているとのこと。

(3)アフターコロナを見すえた構造改革と成長戦略「性別や年齢にとらわれず幅広い層の顧客を創造」

①コーセーが考える新たな市場

これまでの発想では、コーセーが考える化粧品の顧客層といえば、10 代以降の女性が前提となっていました。

しかし、近年高まる多様性の尊重や、ジェンダーレスの観点、さらに、幼少時からスキンケアや UVケアをすることの重要性の取り組みを踏まえ、今後は性別や年齢にとらわれないアプローチを進め、より幅広い人々を顧客層ととらえ、一人でも多くの顧客に寄り添いながら、創造に取り組んでいくとしています。

また、事業領域という視点でも、化粧品領域をコアとしながら、すでにマルホと取り組んでいる医療品領域や、ミルボンと取り組んでいるヘア領域に加え、さらに広い美容、健康、いわゆるウェルビーイング分野も視野に入れ、事業を拡大していきたいと考えているとのこと。

②さらなる顧客体験の追求(雪肌精)

2022 年3月には、「雪肌精クリアウェルネス」の透明なタイプ、フリータイプを敏感肌用スキンケアとして再定義することにより、近年注目の高まるクリーンビューティー市場にも対応できるブランドとして、日本だけではなくアジア、欧州でブランドの育成を図っていく。

③幼少期からの関係性の構築

22年の秋に、キッザニア東京に「ビューティースタジオ」というパビリオンを出展予定。キッザニアは3歳から15歳の子どもたちを対象とした、屋内型の職業社会体験施設。子どもたちは体験を通じて楽しみながら、社会の仕組みを学ぶことが可能。

コーセーでは、一人ひとりが持つきれいを引き出す仕事体験を通じて多様なきれいの価値観を学んでもらう場を提供したいと考えているとのこと。

④敏感肌市場におけるシェア拡大

21年12月にマツキヨココカラ&カンパニーとコーセーで共同開発したプライベートブランドの敏感肌用「レシピオ」を発売。売上を順調に伸ばし、新規顧客の獲得につなげていることをアピール。

また、マルホとの協業商品である「カルテ HD」も、21年にアイテムを増やし、好調に売上を伸ばしている。

(4)サステナビリティ戦略の推進:「きれい」は人さまざまの視点を取り入れる

①アダプタビリティの具現化

サステナビリティ戦略の一環として、性別、年齢、国籍、肌の色、価値観など、一人一人のきれいはさまざまであるという視点を、商品やサービスに取り入れる、「アダプタビリティ」を推進

コーセーでは、「アダプタビリティエイト」を独自に定め、商品やサービスを開発する根底にしています。「コスメデコルテ」から今年の4月に発売する、「ゼン ウェア フルイド」ファンデーションは、グローバルでの展開を見すえ、多様な判断に対応できる40色を取り揃えました。

②「人へ、地球へ」配慮した成分の開発

かねてから化粧品の成分がサンゴに与える影響について研究。19 年からは、サンゴにも優しい化粧品の開発を目指し、研究を推進してきました。

サンゴの健全な育成方法を評価する実験系を見出し、代表的な紫外線防御成分7種類を評価したところ、いずれもサンゴの生育に影響がないことが確認されたとのこと。今後は、人や地球に優しい日焼け止め、化粧品の開発を目指していくとしています。

③持続可能な社会の実現を目指した取り組み

持続可能な社会の実現を目指す化粧品事業のサステナビリティ領域において、花王と包括的に協働していくことを合意した。

その第一弾となったのは「化粧品ボトルの水平リサイクル協働取り組みの推進」。使用済み化粧品プラスチックボトルを回収し、化粧品ボトルへ再生する、“ボトルからボトルへ”の水平リサイクルの実現を目指す。

もう一つは、メイクアップ化粧品のアップサイクル、協業の取り組み。コーセーは株式会社モーン ガータによる、役目を終えたメイク商品を絵具としてアップサイクルする事業を継続的に支援してきましたが、その取り組みに花王も参画。

今後は両社の協働により、廃棄対象のメイクアップ化粧品を提供することに加え、アップサイクルされた絵具などへの活用を促進させていく取り組みを推進していきたいと考えているとのこと。

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